Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第30章 本物の愛
その夜、ルーナとリヴァイは布団の中で抱き合っていた。
お互いの複雑な糸が心の奥底で絡み合っている。
ルーナはあの時のリヴァイの必死の叫びを思い出し胸が鷲掴みにされているほど痛みを感じていた。
いつもの清潔感のあるリヴァイの石鹸の香りと、撫でてくれている髪からは指が滑る度に自分のシャンプーの香りがする。
いつもならあまりの心地良さと安心感にすぐに眠りに引きづりこまれるのだが、今は圧倒的に安心感が足りなかった。
「リヴァイ…あのね…」
「…ん?」
「もしもリヴァイがここを出て行っちゃうなら…私はあなたを追いかけていっても…いいかな…」
リヴァイの手が止まり、ルーナはギュッとリヴァイにしがみつくように胸に顔を埋めた。
トクトクと一定のリズムで刻まれている心臓の音が子守唄のように耳に響いてくる。
「…ルーナ、俺は…お前を置いては行けない」
とても静かで微かな声が降ってきた。
「お前が俺についてくることは有り得ねぇってわかってる。だからお前がここにいるうちは俺もここにいる。」
「…リヴァイ」
「お前がいるところに俺もいる。」
たとえその距離が遠くても。
俺の目の届く範囲内ならばお前を常に視界に入れていたい。
「だから俺がお前についていく。ずっと…」
リヴァイの腕がギュッと強くなり、1ミリの隙間もないくらい密着した2つの身体はなんとも言えない切ない熱を放っていた。
「リヴァイごめん」
「謝るな」
本当はありがとうと言いたかった。
けれど出てきた言葉はやはり謝罪の言葉だった。
リヴァイのあの泣き叫ぶような心の叫びが残酷なまでにルーナの脳裏を抉っていた。
そして思うのだ。
世界はこれほどまでに残酷なのだと。
ここまで苦しんだあなたはきっといつか報われるはず。
その隣に私もいられたら…