Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第28章 団長と兵士長
「そう思ってくれているのは嬉しいよリヴァイ。そして今までこうして尽くしてきてくれたことも。」
エルヴィンの柔らかな声が静かに落とされた。
しかしその声はすぐに真剣な強い声色に変わった。
「だがな、リヴァイ。それは罪悪感だろう?」
「…あ?」
「お前はずっと自分を責めているんだ。あのとき壁外で2人の親友を失い、そのことを背負ったままで自分がさも何もできなかったように思い込んで無力感に苦しんでいる」
エルヴィンがリヴァイの前に行き、まっすぐとその瞳を見つめて言った。
「お前は本当に強い…だから身体のように心も強いと錯覚しているんだ」
リヴァイは歯を食いしばりながら震える拳を握った。
「…ぬかすな…俺はそんな弱くねぇ。人の死なんかいくらでも見てきた。手だってとっくに血で汚れてる」
「リヴァイ」
ルーナの声に2人の視線だけが動く。
「家族や親友、大切な人の死は違うよ…分かってるはず…」
リヴァイは脳裏にファーランとイザベルがよぎった。
思い出したくなくてずっと蓋をしてきたというのにそれが今日いとも簡単に開けられてしまった。
「リヴァイ、お前は本当は自分自身の苦痛から逃れたいんじゃないのか。」
「…っ」
「責めてるんじゃない、勘違いするな。」
「…違う…俺は逃げてねぇ」
「そうだ。お前は逃げない。お前は逃げずにこうやって俺やルーナに問いただして戦ってそして答えを求めている。そしてそういうお前の心の凛々しさをも私は頼みにしているんだ。そういうお前だからこそ。」
俯いているリヴァイの目が見開かれた。
拳の震えは先程より小刻みになる。
ルーナはただただ2人の様子を顔を歪めて見つめていた。