Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第28章 団長と兵士長
リヴァイの顔が一気に強ばっていく。
「お…おい…何をする気だやめろ!」
ルーナは投げ渡された短刀の鞘を引き抜くとギラリと光る刃を見つめた。
エルヴィンは顔色ひとつ変えずにジッと見据えている。
「よせ…おいルーナ!」
ルーナはその短刀を自分の心臓に突き立てはじめた。
添えられた左手には指輪が光っている。
「やめろー!!!!」
リヴァイが瞬時に飛びかかり、短刀を取り上げた。
勢いよくルーナが床に押し飛ばされる。
リヴァイは短刀を掴んだまま床に両手をつき息を荒らげた。
「これでわかっただろうリヴァイ。お前の価値が。お前はここにいなくてはならない存在なんだ。たとえ俺たちの命と引き換えにしても。」
「リヴァイ…お願い…私のそばにいなくていい。だからせめて…ここにはいてほしい。どこにも行かないでほしい」
ルーナの左手が、リヴァイの短刀を握る手に置かれた。
俯いて床を見続けていたリヴァイの視線がその左手の指輪に落とされる。
「俺たちはこれほどまでに覚悟はできているんだ。リヴァイお前も覚悟を決めるんだ」
「…くそ…」
リヴァイの手からルーナの手がゆっくりと離れた。
それを合図にリヴァイはよろりと立ち上がった。