Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第28章 団長と兵士長
「…口八丁抜かしやがって…結局は!てめぇの良いようにしかならねぇだろうが!」
リヴァイが懇親の力でエルヴィンの左腕を押し剥がした。
代わりに今度はリヴァイがエルヴィンの胸ぐらを掴む。
「お前は…情とか愛とかそんなものが欲しくて調査兵団に入ったのか?」
エルヴィンが胸ぐらを掴むその手首に手を置いて静かに言った。
「…違ぇよ。てめぇを殺すために入った。」
「ならなぜ私を殺さずに今も尚ここにいる?」
「・・・」
「お前がここにいる理由は地下では得られなかった自由を得るためだろう。そして巨人の脅威を排除し壁のない世界と真実の歴史、それを見るためにここにいるんだろう」
「…俺…は…」
エルヴィンを掴む手が震え出す。
「お前の望みと1番近い場所は間違いなくここだリヴァイ!!!」
凄まじい気迫で怒鳴るエルヴィンにリヴァイの目が見開かれる。
ガタッ
その物音で2人の視線が瞬時に扉の方へ向く。
そこにはルーナが顔を強ばらせながら突っ立っていた。
「え…なにを…しているの…」
ルーナの震える声に2人の手が離れる。
「ちょうどよかった、ルーナ。お前もここで聞いてくれ。」
「…え?」
エルヴィンの冷静な態度と不気味な声にルーナは顔を歪ませる。
「リヴァイはどうも、この兵団を去りたいらしい」
「っ!!!」
ルーナの息を飲む音がし、持っていた書類がバラバラと床に落とされた。
「おいてめぇ!!」
リヴァイが再度エルヴィンの胸ぐらを掴んだが、エルヴィンの視線はルーナに注がれたままだ。
「私たちがどれほどリヴァイを必要としているのか、証明してやろうじゃないかルーナ」
その一言に、ルーナの目の色が変わった。
覚悟を決めているようなそんな座った眼だ。
「エルヴィン…早くよこして」
「あぁ。」
エルヴィンは引き出しからあるものを取り出しスっとルーナに投げた。
それをルーナがキャッチする。