Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第28章 団長と兵士長
「はぁ…どうしたんだリヴァイ、何かあったのか?」
「・・・」
リヴァイは僅かに瞳を揺らし、口の中で歯を食いしばっている。
それをエルヴィンは見逃さなかった。
「ルーナと何かあったのだろう?」
「っ!…てめぇには関係ねぇよ」
「いいや大いに関係があるな。言ってみろ」
リヴァイは細まるブルーの瞳を睨みつけた。
しかし眉一つ動かさず微動だにしないその真剣な顔はしっかりとこちらを見据えている。
「別に何かあったわけじゃねぇ。俺もあいつも互いに疲れきってる。それだけだ。」
エルヴィンはなんとなくその予想はできていた。
しかし、それは"互いに疲れきってる"とは違うのだということも。
正しくは、"離れることによって互いを救いたい"ということなのだと。
何も言わなくなったエルヴィンに対して、リヴァイは脱力しながら掠れるような声を出した。
「とにかく俺は巨人を削ぎまくりてぇんだよ。今までだってこうしてぶつけてきたんだ。ぶつけるもんがねぇと今の俺は正気が保てねぇ…」
リヴァイは涙を流す代わりに自分の力を目一杯使うことによっていろいろな思いを発散してきた。
それができないとなると自分もルーナのように精神解離くらい引き起こしてしまいそうだった。
エルヴィンは弱々しく顔を歪めて俯いているリヴァイを一瞥すると額に手を当てながら言った。
「…部下の1人も連れていかないのか…」
「当然だ。足でまといなだけだからな。その日は俺は1日非番ってことにしてくれ。お前にとっちゃ造作もねぇことだろ」