Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第28章 団長と兵士長
「な…何を言っているんだ?リヴァイ…私の聞き間違いか?」
エルヴィンは大きなブルーの瞳を零れ落ちそうなほど更に大きく見開いたまま目の前の三白眼を凝視した。
「聞き間違いじゃねぇよ。てめぇの負担になるようなことでもねぇだろ、むしろ好都合なはずだ」
リヴァイが突然1人で壁外調査へ行きたいと申し出てきたのだ。
ウォールマリア奪還作戦までに一体でも多くの巨人を討伐し、そして順路開拓も兼ねて1人で行きたいのだと。
「たった1人で…必要なものは一切無し…馬一頭と人間1人で充分と?
だとしてもだリヴァイ、それはさすがに許可できるわけがないだろう?」
「はっ。愚問だなエルヴィンよ。俺が人間1人?何を今更。
人類最強だとか1個旅団並とか勝手に捲し立ててんのはどいつらだ」
「いくらお前が強くても、万が一何かあった時どうするつもりだ。最悪お前の遺体すら回収できないだろう」
さすがのエルヴィンも顔を険しくしている。
しかしリヴァイは腕を組んだまま至極冷静沈着だ。
「俺がそんなことになると本気で思ってんのか?てめぇらや世間が勝手につけてる俺のその二つ名が正しけりゃな、俺が巨人のエサになんぞなるわけねぇだろうが」
「ならば万が一怪我でも負ったらどうする?夜会だってもうすぐなんだぞリヴァイ。」
少々声を荒らげたエルヴィンにリヴァイはフッと笑った。
「おいどうしたエルヴィン。てめぇのいつもの博打打ちはどこへ行ったんだ?」
「お前のこととなっては話は別だ。私は言ったはずだぞ?お前は人類を救う為の力を持ってる。それを看過することはできん。たとえ私の命を引き換えにしてもだ!」
エルヴィンの真剣な顔が鋭さを増し、ついに立ち上がり声を荒らげた。
その様子に、リヴァイの冷静の糸が一本切れた。
「てめぇはホントに俺を人間だと思ってんのか?!馬鹿にしやがって!」