Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第27章 諍い
「エル…ヴィン」
「ルーナ?!大丈夫か?」
虚ろな目をキョロキョロさせて起き上がるルーナの元に急いで駆け寄る。
「大丈夫だ。今回は体に傷はついてない」
ルーナの頭を撫でながら優しく言った。
「ごめ…なさい…私…また…」
「いやお前は悪くない。今日はもうここで寝なさい」
「リヴァイは…?」
眉を顰め目を潤ませながら言うルーナの肩を押し、再度ベッドに横たわらせた。
「リヴァイは自室に戻ってもらった。リヴァイのことも私のことも傷つけてない。この事態も分かってる。だから安心して眠るんだ」
「・・・」
エルヴィンが優しく髪を撫でたあと、離れようとした時だった。
ルーナに手首を掴まれ、振り向くと、泣きそうな顔で見上げられていた。
「どうしたんだ?」
「お願い…眠るまでそばにいて…」
蚊の鳴くような掠れた声で言うルーナのベッドに腰を下ろし、ルーナの手を握った。
「違う…ここに…きて…」
ルーナの指すこことは自分の隣ということのようだった。
エルヴィンは内心躊躇った。
隣に並んで寝てしまうなどリヴァイのことが頭をよぎってしまいとてもできることでは無い。
「大丈夫だルーナ…ちゃんと傍にいるから」
「やだ。エルヴィン…」
エルヴィンの手を掴むルーナの力が強くなる。
こんなに弱々しく甘えてくるルーナを初めて見たエルヴィンは心が痛くなった。
幼い頃からこんなふうになったことは1度たりともない。
どちらかというと、自分がそっち側だった。
エルヴィンはルーナの頬を優しく撫でると、隣にゆっくり寝転んだ。
すぐさまルーナが擦り寄ってきて胸に顔を埋めてくる。
左腕で、しっかりと包み込んでやると、ルーナはたちまち安心したように寝息を立てていった。