Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第26章 4人の影
「ルーナ」
突然後ろから声を掛けられ、ビクッ!と大袈裟なほどに身体が反応するルーナ。
急いで振り返るとそこには冷徹な目を細めてこちらを見下ろすリヴァイがいる。
「リヴァイ...びっくりしたぁ...どうしたの」
「お前はこっちだ。来い」
「えぇっ?!ちょ、ちょと...」
腕を引っ張られ引きづられるようにして連れていかれるルーナを、残された4人は口を開けたままただ呆然と見つめている。
あれよあれよと連れていかれたテーブルには苦笑いを浮かべているハンジがいた。
「やぁ、ルーナ。食事は済んだ?体調はどう?」
「はっハンジ...うん。問題はないよ」
椅子に座り恐る恐る隣のリヴァイを見ると、相変わらずの不機嫌そうなオーラを醸し出しながら食事をしている。
とくに用事がないのなら、せっかく楽しく部下たちとお喋りをしていたのになんなの!
と文句1つくらい言ってやろうとムッとしたまま口を開きかけた時、それをハンジによって制止されてしまう。
「わかってあげてよ…旦那さんの焼きもちくらいさ…」
コソコソと耳元で囁かれ、ルーナは少し顔を赤らめながら口を噤んだ。
「それにしてもさぁっ!君たちはほんっとお似合いの夫婦だよ!親としても嬉しいし鼻が高いっ!」
ハンジは目をキラキラさせながら2人の指輪を見つめると突然ルーナの左手を掴み、「ほぉぉ〜」と感嘆の息を洩らした。
「俺らはお前のガキになった覚えはねぇぞ」
リヴァイが顔をしかめてすかさず苦言する。
「何言ってんの!エルヴィンが父親で私は母親だろ?」
「てめぇ削がれてぇのか」
ふふふふっとルーナの笑い声に2人同時に視線が向く。
「ハンジ。その通りだよ。いつも助けてくれてありがとう。これからも迷惑かけちゃうかもしれないけど...よろしくね...」
「迷惑なんて思ってないよォ!馬鹿だなぁルーナはっ!」
ハンジに髪をくしゃくしゃと撫で回され、その手をリヴァイが乱暴に掴んだ。
「汚ぇ手で触るな。てめぇはいつ風呂に入ったんだ!」
「入ったばかりだよ!4日前!」
ピキっとリヴァイのこめかみが動き、そこからまた2人の押し問答が始まり、ルーナは目を細めてその様子を見つめた。
こんな和やかな日常がいつまでも続けばいいのにと。