Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第26章 4人の影
「本当になんとも思わねぇのか?」
「だって仕方のないことだもん。それにとても必要なこと。私だってもういい大人なんだからそれくらいの理解力はあるよ?」
笑みを浮かべながら落ち着いた口調で返した。
ルーナはリヴァイに変な気を遣わせたくないし、これは本心だった。
全てをリヴァイに託してしまいむしろ申し訳ないと思っているくらいだ。
しかしリヴァイはそんな無頓着なルーナに少し不満だった。
行ってほしくないとか本当は嫌だとか心配だとか、なんでもいいから何か自分を引き止めるような素振りくらい見せてほしかった。
「ごめんね、リヴァイ。嫌だとは思うけど、行ってきてほしい…」
まさかルーナに背中まで押されるとは思ってもいなかったので軽くショックを受けた。
みるみる眉に皺が寄るリヴァイに、ルーナは焦り出す。
「嫌だよね、すごくわかるよ。私も昔から夜会は嫌いだったし…でもリヴァイは立場上やっぱり顔を出すだけでも価値のある存在だし、それに」
「てめぇはなんにも分かってねぇな…」
突然ルーナの言葉を遮ってリヴァイが力なく呟いた。
「え?」
リヴァイは今日のルーナとクラムの絡みといいそもそも1日ずっと不機嫌で、耐えてきたストレスが今夜は溜まりに溜まっていた。
このままだとまたルーナにぶつけてしまう気がして自分が怖くなる。
「もう今夜は寝る」
だいぶイラついているリヴァイにルーナはそんなに夜会が嫌なんだなと思い心底申し訳ない気持ちになった。
「…うん。ごめんねリヴァイ。夜会の日、私ずっと待ってるから。」
「あぁ。お前も部屋に戻って寝ろ」
今夜は一緒に寝てくれないんだ…
まさか追い返されるなんてこんなこと初めてだ。
ルーナは驚きを隠せなかったが、きっとそれほどまでに任務が嫌で1人で考えたいことも多いのだろうと思って何も言わずに部屋を出た。