Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第26章 4人の影
「なにも夫人方に身体を差し出せと言っているわけではないだろう」
「当然だ。俺はまたテキトーに酒を飲んで雌豚共の話を聞くふりをする。これしかしねぇぞ、いいな?」
「あぁそれで充分だ。だがリヴァイ、その指輪は外していってくれ」
「・・・」
やはりそう来たかと思ったリヴァイは顔を顰めたまま押し黙った。
反論はしないその様子にエルヴィンは少しだけ表情を崩す。
「頼んだぞリヴァイ。私とルーナの夢もこれにかかっているんだ。ルーナには私から言っておく。彼女は傷が酷くてドレスが着られないから夜会には連れて行けない」
至極冷静沈着なエルヴィンをこれでもかというほど睨みつけてからリヴァイは乱暴に部屋を出ていった。
その夜、リヴァイが自室で仕事をしていると、案の定ルーナが現れた。
お揃いのティーカップに紅茶を注いでソファーで一休みする。
なんだか少し気まずい空気が流れている気がして、リヴァイは頭の中で言葉を探していた。
「エルヴィンから聞いたよ。行くんだね、また。」
やはりルーナの方から切り出されてしまった。
リヴァイは溜息をつきながらカップを置いた。
「すまない」
「え、どうして謝るの?あぁごめん私そういうつもりで言ったんじゃなくて、大事な任務よろしくお願いしますって意味だよ」
ルーナは朗らかな笑みを浮かべながら紅茶に口をつけている。