Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第26章 4人の影
リヴァイはそんなルーナの一部始終を、団長室の部屋の窓から見ていた。
ここはちょうど訓練場が見渡せる絶好の場所なのだ。
「チッ」
リヴァイの盛大な舌打ちが聞こえたが、エルヴィンは先程のルーナに関しての報告についてだと思い深く息を吐いた。
「リヴァイ、ご苦労だったな…しかし今のルーナがどこまで現状を理解できているルーナなのかがわからないうちは細心の注意を払う必要があるな」
「・・・」
「リヴァイ?」
リヴァイは気が付いたように急いで窓から目を離し、不機嫌な顔をさらに険しくした。
「あぁ。そうだな。」
エルヴィンはリヴァイの薬指に光る指輪をチラリと見てから、辛辣な目をリヴァイの瞳に向けた。
その後のエルヴィンからの話は今のリヴァイをますます不機嫌にさせるものだった。
なんとまた夜会へ行けという命令だった。
なんでも、ウォールマリア奪還作戦の日までにできる限りの資金調達と物資や馬の支援が不可欠で、それにはリヴァイが不可欠なのだと。
「今ではもはや団長の私より人類の希望であるエレンとお前の方が明らかに有名なんだよ、リヴァイ」
「てめぇふざけるなよ。俺は前回あれだけもう夜会なんぞには行かねぇと言ったよな?」
「わかってくれ。お前にしかできない任務なんだこれは。他に代わりはいないだろう」
諭す、というよりも半ば強制感を与えてくるような鋭い目付きを向けられればリヴァイは何も言えなくなる。
「くそっ…俺にはもうルーナの存在があるんだぞ。てめぇこそそれを分かってて言ってんのか?」
「もちろんだ。ルーナは文句1つ言わないはずだ。むしろ行ってこいとお前に言うだろうな。」
確かにルーナならそう言うに違いない。
人類のためと、自分たちのためだ。