Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第6章 夜会■
なんにせよ、これで間違いない。
資金調達はクリアし、壁外調査は続けられる。
しかし次の壁外調査ではあの3人がエルヴィンの命を狙い、書類奪還をしようとしている。
こちらがここまで知っていることにロヴォフは気づいていないだろう。
ロヴォフと彼らをうまく逆手にとったエルヴィンだが、自分の命が危険に晒されている以上、勝負はここからだ。
ほとんど酒には口をつけていないのに頭が痛くなりそうだ...
そう思い一度思考を遮断すると、キャアキャアと女性たちの声がエルヴィン目掛けて押し寄せてきた。
一人になったエルヴィンに、我先にと貴婦人たちが話しかけてくる。
毎度のことなのだが、ここもうまく切り抜けなくては...
と、笑みを戻しながら思考に再度スイッチを入れた。
ルーナは大丈夫だろうかとそのまま目を泳がすと、一人の男に連れられ会場を後にする彼女の後ろ姿が見えた。
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オリバー卿が、倅だと紹介したその男は、整った容姿をしていた。
ダークブラウンの髪を長めに伸ばし、彫りの深い目元に平行線の眉。
「モリスと申します。お会いできて光栄です。よろしかったら2人でお話しませんか」
ニッコリと笑みを浮かべ一見誰もが心奪われそうだが、腹黒い性悪さを隠している人相をルーナは見逃さなかった。