Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第6章 夜会■
「やぁ、エルヴィン殿。」
後ろから声をかけられ振り向くとそこにはロヴォフとその側近が立っていた。
「ご無沙汰しておりますロヴォフ様」
静かな口調で笑みを浮かべたまま言葉を返すエルヴィン。
この男は努めて冷静さを押し出しているが心中穏やかでは無いはずだ。
なにしろ私たちが証拠を掴んだことに気がついているし、隙あらば私を殺そうとしている。
しかし、それを実行するのは今日ではないだろう。
何せそれは、「あの3人」に委ねられているのだから...
エルヴィンはリヴァイたちを思い浮かべる。
「どうだね、最近の調査兵団の実績は?」
「はい。正直申しまして、未だ大した成果は得られておりません。しかし最近新しく優秀な新兵が入団したのですよ。」
エルヴィンはわざと3人を連想させる言葉を口にしロヴォフの表情を伺った。
「ほう...では次の壁外調査では成果を上げる自信があると?」
ギロリとエルヴィンの瞳を捉えながら持っているワインを口にした。
「はい。人類の勝利への1歩となると確信しています。」
「その言葉には正直聞き飽きたが...まぁいいだろう。私も協力させてもらうよ」
気味の悪い笑みを浮かべながらエルヴィンに背中を向けた。
両隣にいた側近の1人もギロリとエルヴィンを睨み一礼してからロヴォフの後に続く。
もう1人の少し若めの側近は、恐怖と焦りに似たような苦い顔を隠しきれないまま一礼してその後ろに続いて去っていった。
そりゃそうだろう。
なにしろこの側近がルーナに手を出したばかりにまんまと根っこを彼女に掴まれる失態をおかしてしまったのだから...
その怯えた顔にエルヴィンは少々同情してしまった。