Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第26章 4人の影
勢いよく扉が開き、入ってきたのはリヴァイだった。
リヴァイはルーナの部屋に近づくにつれ、ルーナの嫌がる声と男の声が騒がしく響いてくるので急いで駆けつけたのだった。
そして目の前の光景に驚愕する。
ルーナが…襲われている?
「おいてめぇ!!!」
リヴァイは一瞬でクラムを掴み飛ばした。
そして床に転がったクラムの胸ぐらを掴み、壁に押しやる。
「てめぇ俺の妻に何してくれてんだ?」
腹の奥から絞り出したようなドス黒い声と、今にも人を殺めそうなほど血走った鋭い目付きで睨み上げられ、首を強く絞められてただ顔を歪ませるクラム。
「おいなんとか言ったらどうなんだ!殺されてぇのか!」
「リヴァ…へ…ちょ…んなこと…より…」
「あぁ?!」
息ができず言葉が満足に出せないクラムは歪めた表情のまま、なんとか目線だけゆっくりルーナに向けた。
それに吊られてリヴァイの鋭い三白眼が黒目だけルーナの方へ動く。
「!!!!!」
ルーナはもうすでに自分の腕を切っていた。
血が流れ床にポタポタと垂れている。
「ルーナ!!!!」
リヴァイはクラムの首を掴んでいた手を離し、急いでルーナの元へしゃがみ込んだ。
メスを取り上げ床に投げ捨てると、懐から注射薬を取り出す。
「え…」
首元を掴みながらクラムはその光景に顔を強ばらせた。
リヴァイによって注射薬を注入されたルーナはそのままリヴァイの腕の中で気を失った。