Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第26章 4人の影
全く理解ができていなそうな表情を浮かべているルーナを少々不思議に思いながらクラムはまた口を開いた。
「えぇっと、つまりですね…シンさんが亡くなって遺体が棺に入れられる前に、俺がこのペンダントを外して今まで持っていたんですよ。お渡しするのが遅くなって本当に申し訳ありませんっ!!!」
そう言って突然クラムは頭を下げた。
ルーナは困惑していた。
シンが亡くなっている?どういうことなのだろう?
クラムの話している内容が全く理解できない。
これは夢だろうか?
「ごめん、クラム。あのさ…ちょっとよく分からないんだけど…シンは亡くなったの?」
「・・・え?はい…」
苦笑いを浮かべているルーナに、クラムはわけもわからず眉をひそめた。
「いつ?どこで?」
「はい?ルーナさん…何を言ってるんです?シンさんは最期の最期まであなたと一緒にいたはずですけど?そしてあなたを庇って銃弾を浴びたのだと…俺は聞きましたけど…?」
ルーナはみるみる顔面蒼白になり顔を強ばらせた。
身体の震えが止まらなくなり、息が苦しくなる。
「ちょ…っと?…ルーナさん?え?…え…だ、大丈夫ですか?」
荒い息をはぁはぁと吐きながらよろよろ立ち上がると、そのまま机の前へ行き、引き出しを開けた。
そのルーナの行動を、クラムはソファーに座ったまま訝しげに見つめ続ける。