Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第26章 4人の影
「大変...どうしよう。お気に入りだったのに〜...あとでナナバに謝りに行かなくちゃ...」
とりあえず別の髪結を持ってこようと思い、その場を一旦離れようとした時だった。
「ルーナさん!よかったらこれ使いますか?」
突然声をかけられ振り向くと、そこには1人の兵士がいくつかの髪結を差し出しながら立っていた。
長い髪を結っている若い男の兵士だった。
手のひらには、飾りはついていないが綺麗な2色の紐が織り混ぜられた髪結が3つも乗っている。
「え...あ...ごめんなさい。いいのかな?」
「ぜんっぜん!どうぞ!俺いっぱい持ってるんで!」
ニッコリ笑って差し出すそれをルーナは一つ受け取った。
特に選んだわけではないが、グリーンとゴールドの美しい髪結だ。
「ありがとう!助かる。」
ルーナは笑みを返しながらそれで髪を纏めた。
「それ!俺が作ったんですよ!まだまだあるんで貰っちゃってくれて構わないっすよ!」
随分と元気な子だなぁと思った。
周りはこんなにピリピリしているというのに...
この子だけはどこか違う空気を纏い、完全に違う世界にいるかのように思えた。
そしてその屈託のない笑みと長い髪は、
ルーナの中で一人の男を思い起こさせた。
そう言えばシンはどこだろう?今日は見てない...
そんなことをふと思い出しながらルーナは目の前の男にもう一度お礼を言った。