Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第6章 夜会■
ほぉー...と言う声がいくつか聞こえ、目の前の貴族たちの頬がポッと染まる。
「...兵士とは思えませんなぁ。」
目を丸くしたまま一人の貴族が呟いた。
「はは、何をおっしゃいますか。彼女は我が兵団でも腕のたつ精鋭中の精鋭なのですよ。」
エルヴィンに続きルーナも口を開ける。
「いえ私なんて、まだまだでございますよ。まだ命があるのが奇跡ですわ。近く、壁外調査も控えていますので、どうか皆様の御協力を承りたく御挨拶させて下さい。」
ルーナの言葉に目の前の貴族たちは、ハッと顔色を変え
「貴方の身になにかあっては大変だ!」
「その美しい姿に傷が付くなど考えただけで恐ろしい。できることなら是非協力させていただこう!」
「私もだ。また貴方に是非ともお会いしたいからね」
口々に言いルーナの手を握っていった。
「まぁ!嬉しい!!ありがとうございます!でも御協力というのはそう言った意味では無いのですよ。皆様お優しいんですのね...」
わざと大袈裟に感嘆の言葉をあげ手を握り返すルーナ。
「今夜は息抜きをかねているんですの。つまらない兵士のお話より是非あなた方の楽しいお話をお聞かせください」
そう言って太陽のように明るい笑顔を作ると、その場にいた貴族たちは、なんて謙虚で可愛らしい娘だと言わんばかりの顔で口々に会話に花を咲かせていった。
(やはりさすがだな、ルーナ。がめつさを一切出さずまるで資金提供など始めから求めていないように見せかける能力。そんなことよりも目の前のあなたに興味があると思わせるように仕掛ける会話力。そして資金だけでなく上手く情報も引き出し、引き出された本人はそのことにも露ほど気づかない)
エルヴィンはルーナたちの一見楽しそうな雰囲気を他所目に
「まさに小悪魔だな」
フッと口の端を上げた。