Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第25章 指輪と水晶
「だがな、リヴァイ。俺は...どこかでルーナのことを自分だけのものだと思っていたのも事実だ。自分だけがルーナのことを理解しているともな...あれだけお前に強気なことを言っておいて結局自分も彼女のことをそう思っていたんだ。笑うだろ」
「いや...」
リヴァイの瞳がグラスに落とされ、ランプの炎と共にゆらゆらと揺れていた。
いつもの吊り上がった眉は僅かに角度が下がっている。
そんななんとも言えない表情のリヴァイを見たのはいつぶりだろう...
思わず上げていたグラスを持つ手が止まった。
「俺とあいつは...ルーナは...双子だったらしい。前世の話だ。
だとしたらエルヴィンお前は...俺たちの...父親だったのかもしれん」
突然の意味深な話にエルヴィンの思考が追いつかない。
一瞬、酔っているのだろうかとも思ったが、リヴァイの下がった眉は戻らない。
ただその意味を考えながらリヴァイの顔を見つめた。
そんなエルヴィンに気付いてか、突然リヴァイの口角が上がった。
「こんな話を信じてる俺も大概異常な奴だな...お前こそ笑うだろ」
「笑わない。お前がどれほどルーナのことを想っているのか分かっているつもりだ。私も同じだからな。納得できる話だ。」
その言葉に、リヴァイは一瞬驚いたような顔を見せたがすぐに元の鋭い視線に戻った。
「来世でてめぇにまた出会っても、ルーナだけは渡さねぇよ...」
「ははっ、そうじゃないだろうリヴァイ。俺の元からルーナを連れてくんだろう。今世と同じように...。」
真剣な2人の視線が絡み合う。
結局2人とも、ボトル1本分の酒を飲み干してしまっていた。
「...やべぇ。俺は完全に酔っ払っちまってるらしい...」
「ははは...俺もだ」
なんとなく2人はそういうことにしておきたかった。
頭がクラリとするのは本当だった。
ただそれが酒のせいなのかは分からない。
2人の本音が初めてぶつかり合った結果かもしれなかった。