Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第25章 指輪と水晶
そんな事があった翌日のことだった。
エルヴィンの元に、突然ルーナとリヴァイが真剣な顔で押しかけてきた。
「二人で話しあった結果なの。」
やはり正式な婚姻届を提出するのは少し待ってほしいとの事だった。
こんな状況下で自分たち二人だけ正式な結婚をしてしまうのは、他の者たちに申し訳なさすぎる上に、心から祝福してくれる者もきっと少ないだろうと言うことだった。
兵団内で、恋人や親しい者を失った者も当然多い。
変に現場の士気を下げてしまう可能性もあるし、自分たちのために何かをしてくれようとする者も現れてしまうかもしれない。
気を使わせたり、もしも最悪の事態に陥った際に決断を鈍らせ守ろうとする者まで出てきてしまうかもしれないと。
「私たち2人のせいでおかしな混乱は招きたくないし、そんな空気にもさせたくない…だからせめていろんなことが落ち着くまでは待ってくれないかな。それまでは婚約者って形で…そもそもこれだけで私たちは充分なの」
「それに俺たちは一応、兵団の上に立つ者としてできる限りそれに相応しい存在でいるべきだと思ってる」
2人は自分たちの立場をきちんと弁えた上での決断らしかった。
その固い決意は、ある意味エルヴィンの心に嬉しさと尊敬の炎を灯した。
それに…
2人が言うことはもしかしたら最もなことかもしれないとも。
「わかった。お前たちの意を酌もう。だが、2人はもう夫婦同然だろ。その指輪は外すなよ。そしてこれはいつか必ず提出するからな」
婚姻届を前に優しく微笑むエルヴィンに、2人はそれだけで充分だと言って頷いた。