Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第25章 指輪と水晶
「エルヴィン、お前にも1つ聞きてぇことがある」
「聞きたいこと?」
突然真剣な顔で見据えられたかと思えば、自分に質問があるというのが珍しく驚いた顔をしてしまった。
そのエルヴィンの表情に、真剣なリヴァイの顔はみるみるまた不機嫌な顰めっ面になった。
「さっきまでさんざん俺に尋問じみたことしてたんだ。俺も質問の一つや二つしたっていいだろうが」
「いやそれはもちろん構わんさ。なんだ?」
なぜこうもすぐに突っかかってくるのだろう。
さてはそろそろ酔いが完全に回っているな、と思いながら苦笑いを浮かべた。
「てめぇはルーナにいつも兄貴面父親面しときながら、ホントはあいつに惚れてるんだろう」
ドキリと鼓動が跳ねるのがわかった。
ルーナに惚れている...?
正直そういった感情は彼女に対して持ったことがない...はずだった。
しかし考えてみたら、自分はかなりルーナに執着していた上に彼女のことばかり考えて生きてきたことも事実だった。
ルーナのことは...もちろん好きだ。大好きだ。
しかしそれは恋情とも違う。
そんな安っぽいチンケなものではない。
なにか別のものだと思っている。
なのに今、リヴァイの言葉に違うと即座に言えないのはなんだ?
きっと、それは・・・
「おい・・・」
深く考え込んでいた自分に気が付き、パッと顔を上げリヴァイを見ると、そこには複雑そうに眉をひそめ嫉妬に殺気立っているかのような空気を纏った一人の男がいた。
「リヴァイ...正直に言おう。俺は...ルーナを愛してる。しかしそれは恋心ではない。はっきり言って、それ以上に深い愛だ。悪いが俺にはこの感情に名前をつけることはできないし、説明がつかない。」
本当にこれ以上の説明ができなかった。
リヴァイはその言葉に口を噤んだ。
エルヴィンがあまりにも切なそうな顔をして薄ら笑いを浮かべていたからだ。