Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第25章 指輪と水晶
その夜、エルヴィンはリヴァイだけを自室に呼び出していた。
「今夜は男同士で語り合おうじゃないか」
そう言ってリヴァイを座らせ、酒をついだ。
リヴァイは少々居心地の悪そうな顔で何も言わず素直に付き合ってくれた。
「リヴァイ、今更聞くが...後悔はしないんだな」
「当然だ。お前こそどうなんだエルヴィン。大切な妹が一人の男のもんになっちまうってのは」
少し酔いが回ってきたのか、いつもより三白眼が鋭く虚ろに見える。
エルヴィンはそんなリヴァイを見ながら寂しそうに笑った。
「俺は...幼い頃からずっとルーナを見てきた。本当に妹のような...同志のような...いや、もしかしたら娘のように思ってたかもしれん。いつか幸せになってほしいと本気で想っていた...」
「はっ。お前が父親だと?勘弁してくれ」
リヴァイは虚ろな目で長めの瞬きをしながら酒に口をつけごくごくと飲み干した。
そのグラスにまたエルヴィンが酒を注ぐ。
そんなに飲んで大丈夫か?と自分で誘っておきながら少し心配になってきた。
「リヴァイ、お前はルーナと夫婦になっても、兵士として最期までやり遂げられると俺は信じていいんだよな」
「・・・あぁ。」
「ルーナの死を...きちんと受け止められるという認識でいいということだよな」
「・・・」
リヴァイは何も言わずに酒に口をつけた。
エルヴィンはその一挙一動を真剣に見つめた。
その視線に気づいたのか、リヴァイはエルヴィンに鋭い視線を送ると、グラスを置いて空中を見つめた。
「俺は...誓ったんだ...あいつが死んでも...俺は最期まで生き抜くと...」
リヴァイはその誓いに今更後悔し、破ることだけは絶対にできなかった。
もう2人であれだけ強く誓い合ったことだ。
そしてエルヴィンは知らなくても、これは自分のためでもある。
いつかの未来で、自分たちが幸せになるための...