Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第25章 指輪と水晶
ルーナに手を引かれ現れたリヴァイは相変わらずの不機嫌そうな仏頂面だ。
ルーナからは何も聞かされずただ連れてこられた様子だった。
「なんだ。俺は忙しいんだが」
「リヴァイ、君の左手も見せてくれ」
チッ、そのことかと一言文句を添えてからおもむろに左手を出した。
おぉ〜と感嘆の音を洩らすエルヴィンに、これでもかと言うほど顔を顰めるリヴァイ。
「で?なにか文句でもあるのか?エルヴィンよ」
「いや、君たちをきちんと祝福したいと思ってね」
「...なんだと?」
リヴァイは目を見開いてエルヴィンの笑みを凝視した。
「そんなに驚くことはないだろう。可愛い妹を嫁に出すんだ。
とは言っても...今のこの状況だから式を挙げることはなかなか難しいが...」
「いいのエルヴィン!式とかはいいの!そういうのは私もリヴァイも求めてない!」
ルーナが焦ったようにエルヴィンの言葉を遮った。
「・・・なら何かしてやれることはないか?私は正式に君たちの結婚を認める」
エルヴィンの真剣な顔に、リヴァイはまさかこんなことになるとは思ってもみなかったのでただただ唖然とした。
「...いいのエルヴィン、別に何もしてくれなくて...あなたが認めてくれただけで嬉しいから...」
ルーナは少し顔を赤らめて俯いた。
そんなルーナの手をリヴァイは優しく握った。
その様子に、きっと2人は今後の行く末を分かっているのだろうとエルヴィンは察していた。
2人が死を分かつ日は必ずそう遠くない未来にあるのだと。
それを分かっていて、そしてそれを受け入れるつもりで目の前の2人は愛を誓い合った。
一体何が突然そうさせたのかはわからない。
そんな覚悟を決めた2人のことをエルヴィンはもちろん複雑に感じたが、やはり嬉しく思った。