Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第25章 指輪と水晶
チリリ...と歌う鳥の音でルーナが現実に引き戻された。
隣にいるリヴァイは片腕を挙げ仰向けでまだ眠っている。
その手にはキラキラとお揃いの指輪が光っており、ルーナは昨日のことに思いを馳せ顔を綻ばせた。
ちゅっとリヴァイの額にキスをしてゆっくりと布団の中を覗く。
リヴァイのその逞しい身体には、自分がつけた痛々しい痣と傷がある。
昨夜の情事ではルーナはなんとか理性を保てており、リヴァイを傷つけたくない一心でほとんど自分が身を任せる状態でいた。
そんな自分をリヴァイは壊れ物を扱うように優しく抱いてくれた。
どうしてもこの愛しい身体にこれ以上傷をつけたくない。
このまま傷つけ続けるのならいっそ自分が死んでしまった方がいいとすら思える。
今の自分は理性を保てているだろうか?
自分が正常なのかどうかすらわからない。
枕元のデスクに置いてある水晶を見やる。
金の燭台の上で妖艶な輝きを放っている。
もう1つもリヴァイの部屋に同じようにして飾ってきた。
見ているだけで、今までにルーナが感じたことのないような不思議な感覚がする。
本当に少し心と体が軽くなる気がするのだ。
あれから触れても何も起きないけれど
アンナが言っていたように、心の浄化や癒しを与えてくれて、心と体のあらゆるバランスを整える手助けをしてくれるものだとしたら...
例えそれが迷信だったとしても、毎日大事に眺めようと思った。
リヴァイの頬に手を這わせた。
地下街でリヴァイを捕え、初めて目を合わせた時、どこかでとても見た事がある瞳だと思ったことを思い出す。
やはりあれは気のせいではなかったのだと今になって確信した。