Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第25章 指輪と水晶
ダリが言うには、2人は何度も転生を繰り返し、その先では当然の如く毎回立場が違っているらしかった。
兄弟や親子であることもあれば、全くの赤の他人だったりもする。
しかし、どんな立場であろうと何らかの形で必ず巡り合っているのだとも。
そして何度巡り合っても、なぜだか2人は最期まで幸せに生き抜くことができていないのだと。
それでも何度も巡り合い、その辛く残酷な人生を繰り返し続けているらしかった。
「どういうこと...ですか?ダリさん。」
「さあな。わしにもそこまではわからんよ。ただ...」
顔を強ばらせて見つめてくるルーナと、眉をひそめて顔を顰めているリヴァイを交互に見やると、ゆっくりと口を開いた。
「繰り返しているその悲痛な最期には、必ず2人のどちらかが後追い自死をしている」
2人は目を見開いた。
全身からぶわっと汗が吹き出て一瞬鈍器で殴られたように目眩がした。
「こういう繰り返しには必ず目的がある。それはもしかしたら...
2人がいつか最期まできちんと生き抜くことかもしれん」
そう言う試練を課せられてるんじゃないか...
とダリは呟いて立ち上がった。
そして明らかに顔色が悪くなっている2人を見下ろしながら言った。
「それが君たち2人の使命なんじゃよ。きっとな。
今までの君たちはそれが1度たりともできてなかった...というわけじゃ」
ダリはどこか明るい口調で言った。
「ど...どうしたら...いいんですか...」
ルーナが弱々しく小さな声で呟いた。
「生き抜けばいい。どちらが死んでも、もう1人は最期まで。」
「・・・そんなの...無理だ...」
震える声でようやくリヴァイが口を開いた。
しかしそれはルーナもまさに今言おうとしていた言葉だった。