Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第25章 指輪と水晶
夕陽が沈んで少し薄暗くなったベンチで、街灯の明かりが3人を照らしていた。
ダリを挟んでルーナとリヴァイが両端に座る。
「わしは...同じ人物を描けば描くほど...その人物の前世が見えるんだ。
もう君らは3回目だ。だからもう確信した。やはり最初に思っていた通りだった。」
「・・・はい?」
「爺さん...もうボケてきたか?」
ダリは眉間に皺を寄せている2人には目もくれず筆や鉛筆を紐でくるくると纏め、膝に置きながら何食わぬ顔で言った。
「前に言ったろう?わしが君らの手を同時に握った時。
君らは双子に見える...と。君らの1番初めの前世はやはり男女の双子だった。」
ルーナとリヴァイは何も反論せず、ただ目を見開いて口を噤んでいた。
その様子を知ってか知らずか、湖を見つめたままダリが続けた。
「もう君らも薄々気付いてるんじゃないのかい?」
ルーナは、水晶を触った時に隣にいた幼い男の子のことを思い出した。
もちろん顔なんかは全く違うが、あの手の感触と纏っている空気はリヴァイだった。
リヴァイもその時見た隣の幼い少女がルーナかもしれないと薄々考えていた。
容姿は違えど、その子が纏うものすべてがルーナのようだと自分には分かった。
それに、2人にはそれ以上に納得できるような点が、随分と前からあった。
どちらか一方の死を想像したり、少しでも離れたりするだけで、尋常ではないほどの恐怖と息苦しさを覚える。
どちらかが傷つけばもう片方もそれ以上に傷がつく。
目に見える体の傷もそうだし、目に見えない心の傷もそうだ。
まさしくそれは同時に刻まれてしまう。
そして近頃だとリヴァイは過呼吸にまで発展したし、ルーナは精神の解離を引き起こしたりした。
「2人は魂を分け合ってるからな。つまりは分身みたいなもんじゃよ」
2人の話を大まかに聞いたダリはそう言った。
その言葉は2人を納得させるのに充分だった。
まさにその通りのことを実感していたからだ。
そしてダリの話し方や空気感はなぜだか妙に説得力があった。