Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第25章 指輪と水晶
「おーい。お二人さん」
しがれた声が聞こえ、2人は急いでそちらに視線を走らせた。
「!!!!!」
2人は驚きのあまり言葉を失った。
そこにいたのはあの画家ダリだった。
確かに前回ルーナが会ったのもこの街のベンチだった。
まさか今日こんなところでまた出会うなんて...
見られていただろうか?
とルーナは顔を赤らめた。
テクテクと近付いてきたダリは眼鏡を光らせ意味深な笑みを浮かべながら1枚の絵を2人に差し出してきた。
「え?」
ルーナがそれを手に取り、不安げに視線を落とした。
「っ!!!な!!!!」
驚きのあまりおかしな声が出てしまった。
リヴァイもそれを覗き込み、目を丸くした。
そこに描かれているのは紛れもなく先程の自分たちだ。
綺麗な夕陽が登っている湖の前で膝をついて抱き合っている自分たち。
急いで書き写したようで、細かく精巧とはいえないが、それでもとても美しく素晴らしいデッサンだった。
うっすらと絵の具で着色されており、絵の中にいる自分たちはまさに幸せの絶頂にいる2人だけの世界だった。
「ちょっ...と...ダリさん、こ、これ...」
「君たちが随分と長い間そうしてたからね。描きやすかったよ。まぁ本当は手に口付けをしてるとこ描きたかったんじゃけどなぁ...そこでずっとストップしていてくれんと」
「ええ?!ちょっと待ってください!ずっと見てらしたのですか?!」
「相変わらず隠れてコソコソ描くのが上手いんだな、爺さん」
ルーナが一気に頬を赤らめて焦ったように声を大きくすると、リヴァイは何食わぬ顔でリヴァイにとっての褒め言葉を口にした。
「何を言う。わしが夕陽を描こうとずっと待っとったら、勝手にあんたらが入り込んできたんじゃろうが」
「あ・・・ごめんなさい」
ルーナが更に顔を赤くして俯いた。