Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第25章 指輪と水晶
そしてルーナが真剣な顔で意を決したように息を吸い、口を開こうとした瞬間、
「おいおいおいおい、待て待て」
リヴァイが慌てたように制してきた。
ルーナが驚いたような表情に変えると、リヴァイは握っていた手を緩めたかと思えばそのままルーナの左手を優しく自分の掌に置いた。
そしてゆっくり、片膝を立てて跪く。
「お前...それはさすがに男の俺から言わせてくれよ...」
リヴァイは少し呆れたように表情を崩し、そして持っていたルーナの左手の甲を見つめると、そこにはめてある指輪にキスを落とした。
「リ...ヴァイ?」
ルーナは呆然とリヴァイの一挙一動を見下ろしている。
手から唇がゆっくりと離れ、真剣な目をしたリヴァイがルーナを見上げた。
「ルーナ...俺と.....結婚してくれるか?」
リヴァイの黒曜石のような美しい瞳と、ルーナの驚きと感動で揺れる瞳が交わった。
その空間で、2人だけが切り取られたように全ての音が遮断された。
そして湖の向こうに出てきたのは夕陽だった。
オレンジ色に煌々と光り、とてつもなく大きく丸いそれは眩しすぎるほどに2人を照らしていた。
まるで祝福しているかのように湖の水面をキラキラと照らし、ベールのように2人を包み込んだ。
「もちろん...リヴァイ...あり...がとう...」
ルーナは震える声で言葉を振り絞ると、片膝をついて見上げるリヴァイの懐に飛び込んだ。
リヴァイがその小さな体を強く抱き締めると、驚いた鳥たちが水面から飛び立って行った。