Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第25章 指輪と水晶
2人は適当な場所に馬を繋ぎ、街に面した湖沿いを手を繋いで歩いた。
キラキラと光る水面が綺麗に波打っていて鳥たちが毛繕いをしたり、番が並んで浮かんでいる。
その光景は自然の生命の美しさを体現しているかのようで、久しぶりに見るそれは2人の心を落ち着かせた。
2人の指には指輪がはめられたままだ。
リヴァイが握っているルーナの左手に金属の感触がする。
それに僅かに触れながらリヴァイは神妙な面持ちで口を開いた。
「ルーナ...指輪はどうする」
「え?どうするって何?」
「左手の薬指なんかにつけてたら結婚してると思われるだろ」
ルーナは突然ピタリと立ち止まった。
その拍子でリヴァイの体がぐらっと後ろへ引かれた。
ルーナは俯いていて表情が見えない。
「嫌なの?リヴァイは。」
そう呟くように言って顔を上げたルーナは真剣な目をしていた。
「・・・嫌じゃねぇよ。ただ正式にそういう仲になったわけじゃねぇからお前に申し訳ないと思っただけだ」
「なら...ならさ...」
「・・・?」
ヒューーーっと大きな風が川の方から押し寄せてきてルーナの長い髪が顔に張り付いた。
リヴァイがそれをどかすようにルーナの髪をとかした時だった。
「なら...今プロポーズしてよ」
リヴァイが指に髪を絡ませたまま動きを止め目を見開いた。
思いもよらなかった言葉がルーナから飛び出してきて思考が停止してしまった。
本当に時が止まったように周りの音が一切聞こえなくなった。
「なに・・・言ってんだ?」
「できないなら、私からする」
「!?」