Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第25章 指輪と水晶
目の前にあるのは、2つの透明の玉だった。
綺麗に透き通っていて、吸い込まれるような不思議な空気を纏っている。
「これはね、水晶って言って、心の穢れを浄化したり癒したり、何か欠けているものを補ったり今あるものを更に強めたりとか、体と心のバランスをとっていってくれる力も秘めてるんだって。まぁ...本当かどうかは分からないけど、前に雇ってた子が勝手に仕入れてきちゃって...でもこれ、この店には合わないでしょ?だから困ってたの。」
「・・・」
2人は黙ったまま目を見開いて固まっているだけだ。
アンナはハッとしたように戸惑いながら言った。
「ごめんなさい!こんな奇妙なものいらないわよね!」
「ねぇ...触ってみてもいい?」
「え...うん、もちろんいいけど」
ルーナは恐る恐る2本の指で水晶に触れた。
その瞬間、突然ルーナの視界が変わった。
そこは異国の地のような光景で、どこまでも大きく広がる高原に自分一人が佇んでいるようだった。
空にはうっすらと虹が浮かんでいて霧のような雲が動いている。
ルーナはその美しさに見惚れボーッとしていると、横から何かに手を掴まれた。
小さな手だ。
ふとその手の主を見ると、幼い男の子が自分を見つめている。
そこであることに気が付いた。
自分もこの幼い男の子と目線が同じだということに。
掴まれている手を見ると、自分の手も小さい。
ギュッとその手を握り返すと男の子は優しい顔で笑った。