Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第25章 指輪と水晶
「それで、命を救っていただいたのにこんなもので申し訳無いんですけど...」
そう言って綺麗な箱を出てきた。
「いや礼なんて必要ねぇ。今日はただ買い物に来ただけなんだ」
「ダメです!それじゃ私の気が収まりません!受け取ってください」
アンナがリヴァイの手に箱を無理やり押し付けた。
「アンナ...い、いいの?また貰っちゃって...」
ルーナも少し戸惑っていた。
リヴァイも押し付けられたそれを手にしたまま固まっている。
そんな2人に、アンナはにっこり笑って言った。
「開けてみてほしい。2人にピッタリだと思うの」
リヴァイの手の中にある箱を、ルーナが横から手を伸ばし恐る恐る開いた。
2人は言葉を失った。
そこにはプラチナの指輪が2つ、美しく輝いている。
「え・・・ちょっとアンナ...これって...」
「ふふっ、2人にはもう結婚指輪が必要でしょう?」
リヴァイもルーナもその言葉に目を丸くして僅かに口を開けたまま呆然とした。
「もうっ、そんなに2人とも戸惑ってるなら私が付けてあげるから。」
そう言ってアンナは箱をひったくると、ルーナの左の薬指とリヴァイの左の薬指に指輪をはめ込んだ。
「わぁあ〜!!やっぱりピッタリ!私ね、こういう商売だから人の指を一目見ただけでサイズがわかるのよ!あの時もう決めてたの。いつかこれを2人に渡すって。ほかの店には絶対譲れないんだから!」
アンナは1人で心底嬉しそうにはしゃいでいる。
ルーナは驚きの表情のまま左手をかざしジッと見つめた。
本当に綺麗だ。それに...控えめに言ってもかなり嬉しい。
愛する人とのお揃いの指輪なんて初めてだ。
結婚指輪としてじゃなくても、とても幸せな気持ちになる...
リヴァイは単純に、なんて女だ...と思った。
突然結婚指輪とか言って目の前の男女に無理やりはめる奴があるか?
それに俺たちにそんな予定はない。
もちろんそんな未来があったらいいと思ったことはある...
が、自分らの置かれている立場や現状はそれを許してはくれないだろう。