Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第24章 解離■
リヴァイは兵舎内にある巨大な絵画の前で立ち竦んでいた。
あの画家が以前、調査兵全員を描いた美しい絵画だ。
そこに描かれている者は当然かなりの数がこの世にもう居ない。
優しい微笑みのシンがいる。
顔に似合わず逞しい筋肉に覆われた裸体が描いてある。
リヴァイは目を細めてそれを見つめた。
そしてちょうど隣同士に描いてあるミケとナナバに視線を走らせる。
その2人は視線を交わうように描かれており、もちろん素晴らしい肉体美だ。
リヴァイはその2人に指を這わせた。
「てめぇらがいなくなったせいで大変なんだぞ...勝手に死んでんじゃねぇよ...」
自分にしか聞こえないような声で呟き、くっそ...と言いながら俯いた。
「リヴァイ〜!」
後方から元気なルーナの声が聞こえた。
リヴァイは急いでいつもの表情を作って振り返った。
「部下の訓練は終わったか?」
「うん!一緒にお昼を食べに行こうよ」
明るく笑みを見せるルーナの頭をくしゃくしゃ掻き回し、手を引いて食堂の方へ向かった。
隣でパクパクと食事をするルーナを見てリヴァイは少しだけ安堵する。
食欲はあるようだし、元気もあるようだ。
これなら外へ連れ出しても大丈夫だよな...
「お前、医者とはどんな話をしたんだ?」
一応聞いておかなくてはと思った。
「うーん...いろいろ...質問されて答えた。今までの生い立ちとか辛い経験とか楽しかった想い出とか...」
ルーナは切なそうな顔でスプーンを置き、一口水を飲んだ。
「・・・そうか」
リヴァイもコップに口をつけた。
「恋人はいるか、とも聞かれたよ。いるって答えたら安心してた」
「・・・」
やはり恋人は心の支えという点に置いてとても重要なのだろう。
リヴァイはやはりルーナを助けられるのは自分しかいないのだと思った。