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Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛

第24章 解離■


後日、ハンジが連れてきた精神科医による問診が行われた。

その診断結果は、一過性の解離性障害ということだった。

本人にとって耐えられない記憶や感情を切り離してそれを思い出させなくすることで心のダメージを回避しようとすることから引き起こされるもので、重くなるとその切り離した都合の良い状況の自分が成長し、別の人格になってしまうことがあるということだった。

つまり、限界を超える苦痛や感情を記憶喪失という形で切り離し、自分を守ろうとする人間の防衛本能であると。


「解離性障害の主な原因は、そういった心的ストレスを他人に対して自己表現できないためだとされています。ルーナさんはそういった方なのでしょうか?」


医者の問いに、ハンジは答えた。


「ルーナは確かに1人で抱え込む性格で、うまくストレスを発散させたり、誰かに何かを相談したり弱音を吐いたりなどはしないタイプです。単に強い子なのだと思っていましたが、考えてみたらそんなことはない。もう10年以上も調査兵として大切な人たちの死を数え切れないくらい経験してきたんです。こないだも最愛の人たちを失ったばかりで...」


言葉に詰まったハンジは顔を伏せメガネを取った。


「そうですか...正直ルーナさんはこのままいくと精神的ダメージを受けやすく、回避できない状態なら尚更重症化していくでしょう。いつ違う人格に支配されてしまうかわからない...」


「ルーナは涙も流せないんですよ。それに以前も声が出なくなってしまったことがあるくらいで...」


ハンジと医者の言葉を、リヴァイは壁に寄りかかりながら黙って聞いていた。
2人のやり取りはますます絶望の縁に追いやってくるかの如く耳に響いてくる。
本気で耳を塞いで現実から目を背けたくなる思いでいた。
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