Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第5章 2人の夢
入団してきて久しぶりに会ったルーナは昔と何ら変わらない笑顔をエルヴィンに向けいつも無邪気に話しかけてきた。
周りには、恋人が自分を追いかけて入団してきたのかと噂されていたが、その噂はすぐに変わった。
あまりにも「恋人」と呼ぶには何か違う仲に見えたからだろう。
同じ闘志を燃やす者、同じ未来を夢見ている者。
エルヴィンとルーナの瞳の色は違えど、中に宿るものは同じに見えたはずだ。
2人には切っても切れない絆があり、誰の手にも引き裂けないものがそこにはある。
実際、ルーナに言い寄る男は多かったが、誰にでも明るく優しいルーナの笑顔の裏には、常に何か違うものを見、自分たちが一切視界に入っていないのだと悟り諦めていく者がほとんどだった。
そんな彼女を見ながら、
いつになったら彼女の手を引いて前を歩いてくれる者が現れるのやらと
肩を落とさずにはいられないエルヴィンだった。
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「ちょっとエルヴィン!そんなに私のこと見つめて何?何かおかしい?そもそもエルヴィンの選んだドレスじゃなかったっけ?」
ムッとした顔を向けるルーナ。
「あぁ、いや、...随分と美しく成長したものだなぁと思ってね。あんなに幼く無垢な少女だったのに。」
「そんな少女はもういない。もう私は純粋でも無垢でもなんでもない」
ルーナは不機嫌そうに言い放った。
不機嫌の原因は、これからやらなければならないことに対してももちろんあったが、リヴァイと会えないことの方が強かった。
そんな自分の感情に気づいてルーナ自身がとても驚いていた。
こんな気持ちになったのは初めてだ。
気がつくと、夢や野望以外の
誰かのことを考えているなんて……
「あ、もう着いたね」
頭を切り替えるために、ため息混じりにそう言った。