Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第5章 2人の夢
屋敷の執事にエスコートされながら馬車をおり、煌びやかに装飾された豪華な広間に通される。
夜会にはもう何度も出席しているが、この屋敷は初めてだ。
どうやらロヴォフと同じ立場にあるオリバー卿の屋敷らしい。
つまりロヴォフと親しく、ロヴォフの不正にも加担していると思われる人物だ。
度々壁外調査が取り止めになったり、資金が集まらない原因はここにあることになる。
浮いた資金を横流ししているのだ。
その事実を1番初めに掴んだのはルーナだった。
ルーナは夜会に度々参加しては様々な情報を聞き出すことに長けていた。
そのためには必要とあらば自ら身体を使うこともしばしばあるくらいだ。
ルーナは格別すごい容姿の持ち主というわけではないが、その気さくで耐えない可愛らしい笑顔に、聞き上手も相まってか、その存在は充分目立ち人を寄せつける。
数ヶ月前の夜会でも、自ら噂を掴み、ロヴォフの側近に身体を開き、まんまと不正証拠を掴んできた。
しかし、好きでもない相手に抱かれるなどもちろん心中穏やかではないだろう。
そういう事があった日は、兵舎へ帰るとすぐにドレスを脱ぎ、長時間シャワーを浴び、そのあと兵舎内の掃除を朝までやっているらしい。
目撃した兵士などの噂と照らし合わせると、決まって夜会の日なのだから、その事実にエルヴィンも心を痛くした。
しかしエルヴィンには、それを止めることはできなかった。
調査兵団存続のため、壁外調査の継続のため、人類の勝利のため、
そしてなにより...2人の夢のため。
2人の夢が何よりも大切なのだと言う事実を誰かが聞いたら、きっと軽蔑するだろう。勝手だと言うだろう。
それでもいい。
ルーナとあの日、木の上で約束したのだ。
これは必ず2人で成し遂げてゆかねばならないのだと。