Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第24章 解離■
「んっ」
ルーナの吐息が洩れ、バッと顔を離した。
ルーナがわずかに身を震わせ、そしてうっすらと目が開いていく。
「ルーナ?!」
思わずリヴァイは大きな声を出してしまった。
「・・・リヴァイ?...え?あれ?」
「起きたな、ルーナ。大丈夫か?」
「なにここ...どこ...」
「医務室だ。ダメだお前はまだ寝てろ。」
起き上がろうとするルーナの肩を押し戻した。
「ちょ...と...待ってよ。なにこれどうなってるの?なんで医務室にいるの?なにこの傷!!」
ルーナの眉にみるみる皺が寄り、顔を険しくしていく。
「落ち着け。ちゃんと話すから。」
リヴァイは一つ一つゆっくりと説明した。
しかしルーナの顔はますます曇るばかりだ。
「うそ...でしょ。なにそれ。」
「・・・ここまで話して思い出せねぇか?」
「全く覚えてないよ。ホントに私がそんなことを?」
ルーナが自分の腕を見る。
縫われた痕がちくちくと痛み顔を顰めた。
「ごめんリヴァイ、それが事実なら私すごくリヴァイに迷惑かけたね...」
「いや、俺の事は気にするな。お前はゆっくり休め。」
「でも皆のこと...どうして生きてるなんて思い込んでたんだろう...」
「精神的に限界だったんだろ。誰にだって受け入れ難いことだ...無理もない...」
リヴァイは刹那げにルーナの頭を撫でた。
「おかしいよ...まるで私じゃないみたい...私は今まで...なにがあってもちゃんと受け入れてきたはずなのに...どうして突然そんな...」
本当に全く覚えていないようだった。
ならばもしかしたら、またあの時のルーナが出てきてしまう可能性もあると思った。
どうしたらいいんだ...
しかし今それを考えたところで何かわかるわけじゃない。
とりあえず様子を見守ろうと思った。
まだ時間はある。
リヴァイはルーナの顎をすくい、軽くキスを落とした。
顔を離そうとした時、逆にルーナにグイと顔を引き寄せられる。
舌を捩じ込まれ、深くまで侵入してきたそれをきちんと絡めとった。
ルーナが積極的な時はいつだって不安や恐怖に駆られているときだ。
いつだって泣きそうな顔で、けれど涙を流さずに、ただリヴァイを貪ってくる。
リヴァイは今のルーナの苦しみを全て受け入れようと必死にキスに応えた。