Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第24章 解離■
「なんだなんだ?!えぇ?!」
「ひゃあっっ!!!!血がっ!!」
「リヴァイ兵長?!?!ぎゃあっっ」
「うぉあっ!!え?!ルーナさん?!」
血塗れの服と血塗れの顔の2人が超特急で廊下を走り抜けていく。
リヴァイは物凄い恐ろしい形相で名前を呼びながらとにかく追いかける。
そしてルーナは傷をそのままにしているので走っている間もそこかしこに血が流れ落ち飛び散っていく。
ただの追いかけっこでは無いことは一目瞭然で、
そんな異様すぎる2人を通り過ぎていく兵士たちは驚愕して立ち止まるか叫び声を上げたりしてとにかく凄い騒ぎになっていった。
ルーナは足が速いうえに、突然曲がったり室内を抜けたり突拍子もないところを通るのでなかなか追いつくことができない。
まるで小さくてすばしっこい小動物を追いかけているようだ。
「おい!!!ルーナ!!!どこまで行く気だ止まれっ!!!」
リヴァイは次第に息が切れてきていたが、それはルーナも同じはずだと思った。
しかもあの傷をそのままにこんなに走っていたら酸欠と貧血で確実に倒れるばかりか最悪出血多量で大変なことになりかねない。
「てめぇら!!そいつを捕まえろ!!!!」
顔を強ばらせて通りすがっていくだけの兵士たちにリヴァイは大声で呼びかけた。
その凄まじい気迫と血塗れの恐ろしい表情に、明らかにただならぬ事態を感じ取り、狼狽していた兵士たちはルーナを捕まえようと必死になった。
「ルーナさん止まってください!!!」
「ルーナさん!!血が凄いことになってますって!!!」
しかしルーナは止まらない。
兵士達を押し飛ばしながら目的もなく走り続けていた。
とにかくこの悪夢から目覚めたい、とその一心で息を切らした。