Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第24章 解離■
持たせているいつもの護身用ナイフでルーナが自らの腕を切ったのだ。
兵服のジャケットは羽織っていなかったため容易くシャツが切れ、肉を引き裂きみるみる血が溢れ出した。
「馬鹿野郎!!!なにしてる!!!」
リヴァイは立ち上がり急いでナイフを取り上げ、血まみれの腕を掴むと 止血するために心臓より高い位置に上げた。
「夢じゃ...い...え...なんで...覚め...夢...覚めな.....い」
ルーナは自身も顔に血飛沫を貼り付けたまま、顔面蒼白になって片腕を上げられたまま俯きなにやらブツブツ言っている。
痛みを感じているのかいないのか、傷口を見ることすらしない。
リヴァイは掴んでいるその腕を見ながら絶句した。
もう少し深かったら致命傷になっていたかもしれないし、これは恐らく一生残る傷になる、と。
ルーナの肘から流れ続けるそれは床にみるみる血溜まりを作っていく。
「おい!これはお前を傷つけるために渡したもんじゃねぇぞ!お前を守るためのもんだ!こんな使い方をするなら俺が持ってる」
そう言ってリヴァイは血のついたナイフを近くのデスクへ置いた。
そして包帯を取り出そうとその引き出しを開けた時だった。
リヴァイの掴んでいた腕が一瞬緩んだ隙に、ルーナはするりと抜けると、目の前のリヴァイをバッと押し飛ばしてそのまますごいスピードで部屋を出ていった。
「っ!!おい!!!!」
リヴァイは体勢を立て直すと、今までにないくらい大声で叫びながら追いかけた。