Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第23章 叫び■
バササササ
目の前の光景に吸い寄せられるかのように、自分を纏っていたその熱は一気になくなった。
体が硬直し、動けない。
目を逸らしたくても逸らせない。
扉の先では、上半身裸のリヴァイが昼間に会ったサラという女と抱き合い、キスをしている。
これは夢でも幻でもない。
紛れもなく今目にしているものは愛してやまない自分の男の姿だ。
動け!動け私!早く!
体と共に唇がわなわなと震える。
パチリとリヴァイと目が合った瞬間、縛りが溶けたかのように一気に力が抜け体が解放された。
床に落ちたラベンダーをそのままに、一目散に走る。
振り返らずにひたすら走った。
このまま走り続けて誰かの胸へ飛び込みたい。
シン・・・
ふいにシンの笑顔が頭に浮かんできてルーナはギュッと目をつぶった。
もしまだシンが生きていたら、
私はこのままシンの元へ向かい、シンに優しく抱かれるのだろうか。
なぜかそんなことを考えてしまった。
子供みたいに弱い自分の感情のみに支配されればそうなるだろう。
けれど私はもう良い大人だ。
話し合う必要がある。
そんなことは分かってる。
でも・・・
今はリヴァイの顔を見たくない。
あんなに見たかったのに...
ルーナは自分の幼くくだらない感情に嫌気がさし、自室に駆け込むとそのまま床に崩れ落ちた。