Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第23章 叫び■
エルヴィンがそのまま膝の上で眠ってしまった。
ルーナは少年のように気持ちよさそうに寝息を立てるエルヴィンを見下ろしながらクスリと笑った。
しかしどうしよう?
このままというわけにもいかない。
ルーナは物凄くゆっくり、ゆっくりと徐々に自分の膝を横にずらしていき、エルヴィンの頭をそっとソファーの上へ置いた。
ソファーは長めで広いので、エルヴィンの足が3分の1ほど飛び出ているだけで済んでいる。
本当はベッドで寝て欲しいのだが、こんなに心地よさそうな寝顔を見たら起こせない。
ルーナは毛布をかけてやってから、エルヴィンの椅子に座り、机の上の資料を整理しやり残してある作業を片付けて行った。
エルヴィンの字を見つめて思わず顔を歪めてしまう。
利き手ではないほうで一生懸命書かれているだろう字はとても丁寧に見えるが、どのくらい時間をかけていたのかということとその大変さがルーナには手に取るように分かった。
もう一度エルヴィンの寝顔を見やる。
もっと自分が支えたい。
自分にはなぜか未だに腕も足もある。どこも失っていない。
これは紛れもない奇跡だ。分かってる。
だからこそこの人を1番近くで見守り最期まで支えたい。
彼のことを悪魔だという人の声を今まで何度も聞いてきた。
彼のことを分かってあげられるのは私だけだ。
大丈夫。私が最期の最期までそばにいるから。