Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第5章 2人の夢
なんとかたどり着いたてっぺんから見える景色は幼い子供たちの胸を高鳴らせるには充分だった。
たくさんの家々と、小さく動く人々の影。青い空に輝く太陽とたくさんの羽ばたく鳥たち。
遠くにはウォールマリアの壁が見えた。
さすがに壁の外までは見えない。
「あの壁の外にはなにがあるんだろうね」
ふと呟いたルーナの顔を見ると、キラキラと目を輝かせていた。
太陽に照らされた彼女はいつか神話で目にした絵本のような女神に見え、エルヴィンは数秒息ができなかった。
「いつか行ってみたいなぁ...」
「父さんがね、この島にも壁の外にもたくさん謎が隠されてるはずだって言ったんだ。」
尚も高揚した表情で遠くに目を輝かせて呟くルーナに、エルヴィンは静かに言った。
「えっ?それ私のお父さんも言ってた!!じゃあいつか2人でいこうよ!!エルヴィン!!」
驚いた顔を向けるエルヴィンにルーナは手を差し出す。
エルヴィンはこくりと頷き、その手を強く握り返した。
ルーナも目を合わせたまま、こくりと頷いた。
あぁ、
やっぱり自分は彼女に手を引かれてばかりだな。
いつでもどんな時でも、自分では前に進むことも、何も決断することも、
できていないじゃないか。
エルヴィンは心の中で自分の情けなさを思い、彼女の勇敢さに憧れと尊敬を抱いた。