Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第23章 叫び■
コンコン
リヴァイは色の篭っていない冷酷な三白眼を扉の方に向けた。
無表情のまま扉に近づく。
ノックの音からして女のようだ。
こんな時間に俺の部屋に来るのはルーナしかいない。
リヴァイはどんな顔をして何を言おうかと考えていたが、
やはり冷静さよりも嫉妬心や劣等感の方が勝り、これでもかというほどその感情を表に出した冷徹な表情を貼り付けたまま乱暴に扉を開いた。
「っ!?...サラ?」
しかしその表情は目の前の女を見て一気に崩れ驚きだけの顔に変わる。
「なにしにっ...お、おい!」
リヴァイが言葉を発するやいなや、サラは思い切りリヴァイの体を押し机に追いやった。
突然のことすぎて言葉を失い背後の机に両手をつくリヴァイ。
「リヴァイ兵長。私、今日、分からなくなったっていいましたよね?」
「・・・どけ」
リヴァイは驚きの顔を瞬時に冷たい表情に変え、サラを押しのけようとしたが、それでも頑なにリヴァイに詰め寄り机に手をつくその手に自らの手を重ねてきた。
「ーっ!お、おいてめぇ...」
「私はやっぱりわからなくなったんです。私も二ファさんのように、自分でも気が付かないうちに一瞬で死んでいくんだって思ったら...私もやっぱり...好きな人のそばに常にいたい...」
涙声でそう言うとリヴァイの唇に自身の唇を押し付けた。
リヴァイは急いで顔を背ける。
「・・・お前には感謝してるし、申し訳なかったと思ってる。あんな抱き方をしてすまなかった。」
「もう一度抱いてください!」
「それはできねぇ。わかるだろ。諦めてくれ。」
「いやです!私は確かに初めはあなたに大切な人の元にいるように言いましたけど!私だって人間です!二ファさんみたいにいつ死ぬか死んだことにも気付けるかすら分からない...そんなだったら!私だってあなたみたいにワガママになったっていいじゃないですか!」
ハッとリヴァイは目の前のサラを見つめる。
目から涙が零れ落ち泣き叫ぶこいつから発せられた言葉は自分の愚かさを再確認するのに充分だった。
そうだ。俺は本当にワガママな最低な奴だ。
でも・・・