Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第23章 叫び■
そのまま自室で熱いシャワーを浴びる。
眉間に皺を寄せ目をつぶって顔を上に向け、雨のように降り注ぐそれを一身に受け止めた。
目を覚ませ
という願いも込めて。
しかし、自分から滴り落ちる水滴と水音、それを痛いほど感じる熱い自分の裸体が現実だということを叩きつけるようにいつまでも自身を打ち付けてくる。
リヴァイはそのおかげか少しずつ冷静さを取り戻した。
これからどうルーナに接しようかということを真剣に考え出していた。
見なかったことにしようか?
いやそれは自分の性格上不可能だろう。
ならばどう問いただす?
エルヴィンに聞くか?
あいつは俺だけの女だ。
誰にも渡したくない。
あの時あのまま扉を開けて2人を引き離せばよかった。
俺はなぜ逃げた?
今更になって激しい後悔が襲ってきた。
ルーナ。俺だけだと信じ続けていいん...だよな?
お前のことを信じていい…のか?
どうしたらいいんだ。
わからなくなってきた。
自分のこともルーナのこともエルヴィンのことも...
"私はもうわからなくなってきました"
ふいにサラの言った言葉を思い出す。
リヴァイは茫然とした表情のまま力なく体を拭き、ズボンだけ履いてソファーに腰を下ろした。
首にタオルをかけ、髪からは雫が滴り落ちているがきちんと拭く余裕が今のリヴァイにはない。
テーブルの上にはお揃いのティーカップがある。
ルーナもよくここで紅茶を飲むので置きっぱなしにしている。
あの頃が1番楽しかったような気がする...
まだ2人とも若かった。
まだ大切な人達が大勢周りにいた。
今、リヴァイは自分でも驚くほど暗くネガティブな思考になっていた。
近頃いろいろありすぎて多忙かつ大勢が死んだからかもしれない。
叔父のこともあっただろう。
普段はここまで子供のように感情が湧いたり変わったりなどしないのに、どういうわけか今のリヴァイには限界がすぐそこまで来ているようだった。
リヴァイは徐々に自分の心が冷たくなっていく気がした。