Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第23章 叫び■
リヴァイは普段からノックをしないので、そのまま扉を開けようと手を伸ばしたときだった。
ルーナの笑い声がしてピタリと手を止めた。
別に普段ならルーナの声がエルヴィンの部屋からしたところでなんら躊躇わず扉を開けていただろう。
しかしこの時のルーナの声は、まるでこそこそ話をする幼い女の子のように儚く可愛らしい吐息のように聞こえた。
リヴァイはなぜか、ゆっくりと音の出ないように扉を開いてしまった。
そして目に入ってきた光景に驚愕し危うく持っていた書類を落としそうになる。
ルーナがエルヴィンに膝枕をし、エルヴィンは腰に抱きつき気持ちよさそうに肌を擦り寄せている。
ルーナの手が、エルヴィンの頭や顔を行ったり来たりしている。
そして2人はリヴァイが見た事もないような子供のような顔で静かに笑いあっている。
その気味の悪い光景に、リヴァイは吐き気を覚えて後退りした。
信頼してきた2人が・・・
考えられない。
確かに今までも少しはエルヴィンとルーナの間柄に不信感を持ったこともあったにはあった。
厳密に言えば嫉妬だ。
自分が一切入り込めないような不思議な二人の関係に嫉妬し、二人のボディータッチにもあまり良い気分はしていなかった。
しかし、幼なじみで同じ夢を持つ二人を理解しようとなんとか理性でそれを誤魔化してきたつもりだ。
それが今、いとも簡単に崩れてしまった。
夢でも見ているのか、疲れで頭がおかしくなってるんだと一瞬思ったが、汗ばんだ手が掴んでいる書類のクシャという音があまりにも現実味を帯びている。
リヴァイは生唾を飲み込み、小走りで自室に駆け込んだ。