Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第23章 叫び■
そのあとルーナとリヴァイは墓参りに来ていた。
数えきれないほどの兵士が眠っているたくさんのお墓。
本当は一つ一つに花を添えたいのだがさすがにそれは不可能に近い。
ルーナはナナバの墓に、先程シンの両親がくれた花を添えた。
「ナナバ...会いたいよ...」
震える声で呟くルーナの肩をリヴァイが抱き寄せた。
生暖かい風が2人を割っていき、草木の揺れる音があちこちからしている。
ルーナたちは歩みを進め、シンの墓にも花を供えた。
二ファの墓へ近づいたときだった。
その墓の前に1人の女兵士がいた。
二ファの墓を見つめ、ボーッと突っ立っている。
恐らく二ファと親しい兵士だったのだろう。
ルーナは歩み寄り、声をかけた。
するとその兵士はルーナの後ろにいるリヴァイに驚いたように目を見開いた。
振り返るとリヴァイも女兵士と同じ表情をして見つめ合っている。
ん?
知り合い?なのかな?
ルーナはリヴァイと女兵士を交互に見つめた。
「・・・サラ」
「リヴァイ兵長...」
女兵士はサラというらしかった。
サラはルーナの訝しげな表情に気付き、ハッとしたように目を逸らして言った。
「二ファさんは...私にとって姉のような存在だったんです」
「そ、そうだったの...ごめんなさい...本当に...」
ルーナは大切な人を亡くすということがどれほど残酷で辛いことなのかということが、このサラという女兵士から痛いほど伝わってきた。
「俺がついていながら、守れなかった。すまないサラ。」
「リヴァイ兵長...」
そう言ってリヴァイを見つめるサラの瞳は明らかに上官に向けるそれではないことが見て取れた。
「私あのとき兵長に言いましたよね。けど私は...もうわからなくなってきました。こんなにあっけなく...自分も死ぬのかと思うと...」
サラは震える拳を握り、涙を流し始めた。
「・・・サラ?」
「っ!すみません...」
俯いたままそう呟くとそのまま背を向け去っていってしまった。