Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第23章 叫び■
「兵長さん...息子はあなたの事もとても慕っていましたよ」
今まで顔を歪めて黙っていただけの父親がしがれた声で口を開いた。
「あなたのことをとても尊敬しているってね。命を助けられたとも言っていた。あなたがいなければもうとっくに死んでいたんだと...。」
ルーナは下唇を噛んだまま俯いた。リヴァイの顔を見る気力がない。
リヴァイは今どんな顔をしてなにを感じているのだろう?
レナの嗚咽の音だけが静かな部屋に鳴り響いている。
「そんなあの子が、お2人を恨んでいるわけありませんよ。あの子が愛していたお2人を守れたんですもの。これ以上の最期はありません。」
「あぁ。その通りだ。ありがとう」
両親は涙を流しながらシンとそっくりの笑顔で言った。
ルーナはもう何も言えなくなった。
どこまでも優しいこの両親から、どこまでも優しいあのシンが生まれたのだという納得の事実を胸に刻み、楽しかったシンとの思い出と共に蓋をした。
リヴァイがゆっくりとレナの前にしゃがみ込んだ。
「お前の兄貴は...俺の中に生きてる。あいつの残した意思が俺に力を与える。俺が生きている限り、兄貴が大切にしてきたものを俺が守る。だからあいつは俺の中で生き続ける。」
レナは真っ赤な潤んだ瞳でリヴァイを見上げた。
「じゃっじゃあっ...ひっく...うっ...ずっと...生き...てよ...っ...ずっとっ...ひっ...死なないっ...でよっ...ひっく」
「当然だ。俺を誰だと思ってる」
リヴァイは柔らかい表情で優しくレナの頭に手を置いた。
急にレナの涙が止まり、驚いた表情で目を見開きリヴァイを見つめる。
「お兄...ちゃんっ?...」
レナは、シンがいつも自分にしてくれていたことを目の前のリヴァイから全く同じように感じ取れていた。
リヴァイのそれは本当にシンが乗り移ったかのように暖かく優しい姿だった。