Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第23章 叫び■
「娘が兵士である以上、私共も覚悟しておりました。どうかお顔を上げてください」
そんなことを言われて素直に上げられるわけが無い。
この人たちには、二ファを埋葬する前の顔すら見せてあげられることが出来なかったのだ。
顔が跡形もなく吹き飛ばされていたためだ。
ルーナは頭を垂れたまま、ギュッと目を瞑りながら言った。
「本当にっ...申し訳ありません!全ては私たちの不注意が招いたことです!」
「娘は...最期...どんな顔をしていましたかね...」
優しい静かな父親の震える声が頭上に聞こえる。
「...娘さんは最期...俺の言った冗談に...笑っていました」
隣で頭を垂れているリヴァイが呟く。
ルーナは彼が今どんな顔をしているのか知る術はない。
「そうですか。ならよかったです。娘が最期笑顔だったのなら。」
頼むからそんなに優しくしないで欲しい。
ルーナは歯を食いしばった。
罵倒され叱責された方がまだマシだ。
いっそ殴られでもしたほうが清々する。
「申し訳ない...」
リヴァイが掠れた声で悔しそうに呟いた。
最期の最期に二ファと一緒にいたのはリヴァイなのだ。
どんな冗談で笑わせていたのかとか何を話していたのかなどルーナにはわからないが、自分以上にリヴァイが悲しみと悔しさを必死に押し殺しているのは分かっていた。