Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第22章 新たな幕
「なんでリヴァイが...あんたに惚れたのか...わかる気がするよ」
「...え?」
「あんたはあいつにないものを持ってる...そうだろう?」
「...意味が...分かりません。」
ゲホッゲホッ
ケニーが血を吐き、ルーナは咄嗟にガーゼで口を吹き顔を拭った。
考えるよりも先に動いてしまった。
「ハッ。あんたは...優しいな...」
「リヴァイになくて私が持ってるものってなんですか」
傷を拭きながらルーナが冷たく言った。
「...そりゃ...夢...だろ。俺と同じでな。あんたの顔見りゃ...わかるさ」
ルーナは一瞬手を止めたが、眉をひそめて再度ケニーの火傷傷に消毒液を垂らした。
「おい、俺を...助ける気か?」
「えぇ。あなたのおかげで私はあの人に出会うことができた。あなたのおかげであの人も強くなれた。そうでしょう?」
「それは違うな...あいつは...あんたに出会ったから...強くなったんだろ...」
徐々にケニーの脈が小さくなっていくのが分かる。
「やめろ...」
掠れた声でそう言い、ルーナの手を払いのけようとする。
「待って...あなたはまだ死ぬべきじゃない。私は助けたい。」
ルーナは必死で呼びかけた。
「ハッ。俺はもう...見りゃわかんだろ...最期に1つあんたに...言っておきてぇことが...ある」
「なんですか?」
ルーナは顔を歪めて必死に耳を澄ませた。
「俺はあいつに...暴力以外は...なんにも教えられちゃいねぇ...んだよ...だからあんたが...これからもあいつと...よろしくやってくってんならな...俺が教えてやれなかったことを...いろいろ教えてやってくれよ...」
ルーナが辛うじて聞き取れたのはこんな感じだった。
「ケニーさん...」
息遣いがどんどんと小さくなっていくのがわかる。
待って...
私はまだあなたと話がしたい...