Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第22章 新たな幕
「ルーナ」
突如声がした方向を見ると、リヴァイがこちらに歩いてきていた。
「リヴァイ...この人...」
「あぁ。ケニーだ。もう助からねぇな」
リヴァイは目の前の光景で、ルーナが一生懸命今まで介抱していたのだろうということを理解すると、腕を引っ張りルーナを立ち上がらせた。
「ちょっとリヴァイ!」
「こいつはもう無理だ。見りゃわかるだろ。どうしたんだ?お前らしくもない。」
そうだ。わかってる。
この人はきっと助からない。
でも...
「助けたかった。だってこの人は...リヴァイの...大切な人でしょう?」
「・・・ルーナ。もうそれだけで充分だ。あとは2人にさせてくれ」
リヴァイは柔らかい表情で優しく言った。
ルーナは顔を歪ませてケニーを一瞥すると、離れたところまでリルを引き2人が話終わるのを待った。
「リル...あなたもお疲れ様。ありがとうね」
リルの頬を撫でると、まつ毛の長い大きな瞳をまるで微笑んでいるかのように向けてきた。
そのあと2人が何を話したのかはわからない。
けれどリヴァイは、自分の叔父だったとだけ話してくれた。
渡された注射薬を持って。
「お墓を...作ってあげようよ」
「・・・あぁ。」
リヴァイはとても寂しそうな切なそうな顔をしている。
けれど今はなにも聞かないでおこう。
ルーナはそっと手を伸ばすとケニーの瞼を閉じさせた。