Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第22章 新たな幕
「敵の遺体はもうほぼ全て回収できたと思います。て言っても...ほとんど人の形はしてませんでしたが...」
「...そう。ご苦労さま」
ルーナは部下を連れて近辺の確認と見回りをしていた。
「ルーナさん!止まってください!」
部下が突然銃を構えて近づいていくその男は木にもたれかかって微動だにしない。
ルーナはゆっくり近付き男を観察した。
息はあるようだ。
しかし大火傷のせいか髪はほとんどなくなり口や身体からは血を流しボロボロの状態で近づいても問題なさそうだと判断し、男の前にしゃがみこんだ。
「あなたは?誰?」
「・・・ハッ。お前...ドチビの...女か...」
「...は?」
聞き取りづらいほど掠れた声だが確かにそう聞こえた。
「もしかして...あなたは...ケニー・アッカーマン?」
男は薄ら笑いを浮かべている。
「...リヴァイを呼んできて」
「承知しました」
男と2人きりになったルーナはまず、男を止血しようと医療用具を取り出した。
「待て...俺はもう...無理だ...」
「でもあなたはリヴァイのっ...」
大切な人でしょう?と言おうとしたが口を噤んだ。
そうだ...この男は...
シンも二ファも部下たちも殺した...
隙あらばリヴァイの命も狙っていた...
どうする...どうすればいい...
殺したい。でも殺したくない。
ルーナは動けなくなってしまった。