Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第22章 新たな幕
馬で戻ってきたリヴァイ、ハンジ、アルミンたち全員をルーナは必死に抱きしめた。
エレンもヒストリアもいる。
「よかった!みんな!本当によかった!!」
ただ祈るしかできない自分にルーナはさすがに居てもたってもいられなくなって追いかけようと外へ出た時の事だった。
全員戻ってきてくれた。
本当に全員で。
「ルーナ、まだだ。まだ終わってないよ。ヒストリアの父、ロッド・レイス巨人がこっちに向かってきてる」
傷を負ったハンジが顔を歪めながら言った。
「今までにねぇくらい馬鹿でけぇ奴だ。早いことしねぇとな団長」
リヴァイがエルヴィンに鋭い目線を向けるとそのままルーナの驚いた顔を一瞥した。
ハンジが状況説明をし、エルヴィンたちとルーナは策を練り始めた。
「何を考えているんだエルヴィン!住民を非難させず街にとどめるだと?!夜明け時にはもうあの巨人はここに到達するのだぞ!!」
策を聞いた駐屯兵団たちがエルヴィンを責めたてた。
「あの奇行種はこのオルブド区外壁で仕留めるしかありません。そのためには囮となる大勢の住民が必要なのです。ただし、民の命を守ることこそが我々兵士の存在意義であることに変わりはありません。目標を仕留め損なったとしても、住民に1人として死傷者を出さぬよう尽くしましょう」
「そんなことをどうやってやり通す気だ!」
ルーナが真剣な顔で口を開いた。
「オルブド区と周辺の住民には緊急避難訓練と称して、状況によってオルブド区内外へ移動させやすい体勢を整えます。私が先導します。」
「やるしか...ないようだな...」
その言葉に、駐屯兵団たちは皆口を噤み意を決したように表情を変えた。